本格的な冬の到来を前にした県北ダムめぐり。2基目は高暮ダム(場所)です。
ダムに向かう唯一のルート県道456号はかなりの「険道」という情報を得ていたので覚悟しましたが,沓ヶ原ダムから直通する最も過酷な部分は通行止め。
訪問した12月8日時点で上流側からアクセスするルートなら高暮ダムまでは行けました。ただ,積雪がある時期はこのルートも通行止めになるようです。
高野ICから約11キロ。あまり迷いませんが,後半5キロぐらいは車1台分の幅の道が延々続くのでナビの「あと〇km」という表示が心の安定につながります。
離合可能個所は300mおきぐらい。1回だけ赤い乗用車と離合としました。たまたま離合可能な場所近くで助かりました。
ダム関係者の車ではなさそうだし,この先はダムしかありませんから,道を間違えたか,はたまた「同志」か。。。
ようやく堰堤が見えてほっとします。
発電用重力式コンクリートダム 太平洋戦争末期に造られました。
道路の方が高い位置にあり,天端には階段を下りていくようになります。
レトロな意匠。このダムは尾道の久山田ダムなどとともに「日本の近代土木遺産 現存する重要な土木構造物」に選ばれています。
この街灯は比較的新しいんじゃないかな。レトロな雰囲気に合わせたか。
神之瀬(かんのせ)湖。満水になったら結構な水量だと思う。
随分シンプルな取水設備
5門のラジアルゲート(ダムの放流部分の水門の一種)はここ数年のうちに新しい物に取り換えられたらしい。
ラジアルゲートの操作室。
高い位置に窓があり,僕の身長では直接中は見えなかったけど,手を伸ばして撮影すると内部はこうなっていた。
天端中央から真下を眺められるせり出た特等席(画像右下)には入れないようになっています。(まあ怖すぎて行きませんけど)
仕方なく左岸から堤体下方向を撮影。
減勢工を包み込むように左右も崖になっているので結構スリルある眺め。
下流への道は通行止めになっており・・・
堤体正面を捉えられるスポットがなかなか見つかりません。
出た! 昭和初期ダムあるあるの堤体周りに点在している謎の構造物たち
このダムは戦時中に強制連行されたり,不当に雇われたりした労働者を動員して造られたという経緯があり,工事の犠牲者を追悼する慰霊碑などが随所に建てられています。
山奥に佇む物言わぬ古きダム。しかし,いろいろと考えさせられるダムでした。