ダムのほそ道

広島県内(とその近県)のダムの訪問記録です。

34 国兼ダム(国兼池)

12月上旬の県北ダムめぐりですが,この日は沓ヶ原・高暮ダムで終わりにする予定でした。

 

 

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道の駅「たかの」で地元食材を使ったトロトロのオムライスと温かなスープをいただいていたら,元気が出てきて少し回り道してもう1基いくことにしました。

 

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灌漑用アースダム 国兼ダム(場所

 

このダム,庄原市の中心部にあって,周囲は国営備北丘陵公園になっており,アクセス良好,駐車場(最寄りは第2駐車場)も完備されています。

しかし,ダム便覧をはじめ,先達の皆様もあまり訪れていないようなんですね。

 

行ってみてその理由が分かりました。

 

 

何と,公園に入るのに入園料!

 

そして駐車料金も発生します!

 

ダム堤体は,公園の中に入らなければ見えません(おそらく)。

 

 

 

合計770円を泣く泣く払って入場_| ̄|○

(しかも,「一人です」って申告したのに,平日の昼間に男一人というのがよほど怪しいのか,料金所の人に車の中を覗きこまれるし。。。)

 

 

アースダムですから,規模や技術的に見ごたえがあるわけでもありません。他県から来ていたら,わざわざお金払ってまで見に行かなかいかもしれませんね。

 

 

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この時期夜はイルミネーションをしていて,例年なら平日でも人も多いようですが,さすがに昼間のこの時間は駐車場もガラガラ。

 

 

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ここが天端です。あまりそう見えませんけど。歩道とサイクリングコースになっていて,画面右側が池になっています。

 

TDLのごとくゴミ一つ落ちていません。素晴らしい管理!


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右の小屋から斜樋がわずかに見えます。ため池周囲は立入禁止になっていてこれ以上よく見えません。厳しい管理!

 

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国兼池造成と改修の経緯が刻まれているようですが,よく読めません。

 

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こちらははっきり読めます。最初のため池は江戸時代につくられ,お国とお兼という姉妹が人柱になったとの伝説が記されています。

 

以後,しばしば水不足になっていたので,方々から導水し,なんと12キロも離れた本村川からも導水したとのことです。

 

導水路が完成したのは明治になってからですが,設計は江戸時代とのこと。なかなかの測量技術。伊能忠敬だけじゃないんですね。その水路も確認すればよかった!

 

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ところで,このダム,洪水吐が見当たりません。

方々から導水していたとのことですから,もともと水がたまりにくいのかもしれません。堤体斜面に,それっぽい導水路見付けましたが,洪水吐というよりは本流の放水路かも?

 

グーグルの航空写真でも見てみましたが見付けられず,ご存じの方は教えてください。

 

 

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堤体下に下りようとしたら柵。

 

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 仕方なくちょっと引いたところから堤体と池を入れてみました。堤高16.4mは画面右下のコンクリート部分まで含めての高さでしょう。

 

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ウロウロしていたら,天端や堤体はイルミネーション会場の外側だったことが分かりました。ってことはダム周囲の夜は真っ暗で誰もそこにダムがあることに気付かないのでしょう。

 

実は,息子が幼いころ(今から10年以上前)に家族でここにイルミネーションを観に来たことががあります。

 

今だったら,ヘッドライト点けてダム見に行っちゃうかも(笑)