沼隈地区をめぐっての帰り道,八日谷ダムを再訪しました。
前回(2020年10月)は堤体が藪と化して失望して早々に切り上げた記憶があります。あれから,グーグルの航空写真や国土地理院の地図などを見ていると,どうやら下流側に入り込む道があることに気付きました。(国土地理院地図は,一般的な地図には表示されない登山道なども記載されているので便利です。
藪と化した堤体のその後の様子見も兼ねて立ち寄りました。
堤体は…相変わらず藪でした…
さて,地図で見付けた下流側に入り込む道に入ってみます。未舗装で,このあとがれき道となるため徒歩で向かいます。
がれき道の奥に現れたのは…揚水施設でしょうか?
この廃墟感。まるでバイオハザードの世界です。
割れた窓ガラスからこわごわのぞき込んでみると…あの玉網は何に使うの?
施設の裏側では水音が。やはり灌漑用に送水するための施設とみられます。
古風な水路。こちらは使われている感じはしません。
こちらは堤体真下の維持放流だと思われます。なかなか立派な馬蹄形トンネル。
その先は「山南浄水場」の跡地と思われる区域。立入禁止のフェンスはありますが,開いてますよ! この奥に行けば堤体真下だと思います。
しかし,立入禁止だからというよりも,ケルベロスとか出てきそうで入る気がしません。
気分を変えて,前回撮影しなかった上流側をまわってみます。
記念碑やここから奥に続く平家谷の観光案内板など。
記念碑には初代沼隈町長が「万難を排して」,二代目町長が「傾倒幾多の困難を克服」,「挙町一致の協力」で完成したと刻まれています。ここまでアピールするのも珍しいです。
そんなに大切なダムだったらなおさらきちんと堤体の管理を!!
と言いたいところですが,沼隈町は2005年に福山市と合併したのでした。当時の町長さんがこのダムを見たらどんな思いになるでしょうか。。。
意外にもインレット部は容易に見ることができます。
川が道路をくぐって流れ込み,貯水池へ続きます。あまり流れはなくよどんでいました。
…と観察していると何やら流木の枝に…カメです!
ミシシッピアカミミガメというカメで国の緊急対策外来種に指定されています。
小さいうちは「ミドリガメ」と呼ばれ,昭和時代は縁日などでも出回っていたこともあり,ペットとして飼うことが多かったそうですが,大きくなると狂暴化するため飼育放棄されて殖えてしまったみたいです。
そういえば灰塚ダムでは外来種の魚をどんどん釣って駆除しようみたいなことをしていましたね。
平家伝説の残る谷に静かに水をたたえる八日谷ダム。良くも悪くも人の営みを映し出しているような気がします。
八日谷 無常の果てに草茂る