香川県丸亀市のため池で,釣りに来ていた父子が水死する痛ましい事故が起きました。
ため池に落ちると容易に這いあがれないということについて述べた記事がありました。
ダムめぐりをしていて分かるのは,「ため池」と一口に言ってもその形状・管理状況は様々であること。
ため池の形状については農閑期に水位の下がった状態で観察するとよく分かります。
かつて椛の木ダムが完全に水を抜いていた時に底に下りてみると,湿った地面は足がめり込むほどブヨブヨしていました。まして,水の中であればたとえ足の届くところであっても足が埋まってしまうでしょう。
(椛の木ダムの底 土砂が堆積しており,表面は乾いていても踏むと足がめりこむし,斜面は崩れる。)
あえていうなら,洪水吐付近は底が補強のためにコンクリートになっていて比較的浅くなっている池もあり,そこまで泳ぎつけられたら助かる確率が上がるかもしれません。
(黒瀬ダムの洪水吐付近 洪水吐手前3mぐらいはコンクリートブロックで平らに固められている。ただしどの池もこうなっているとは限らない。)
(大久保ダムの洪水吐付近 手前にある洪水吐から2~3mだけは周囲よりも浅くなることが分かる。)
記事では「近づかない」ことが最善の策であると述べています。もっともだと思います。しかし,草花の咲く天端,水鳥の遊ぶ池は美しいものです。
また危険だからと言ってどこもかしこもフェンスで囲まれてしまうのも悲しいものです。(これまでダムや池で出会った釣り人の中には立入禁止でも構わず釣りをする人もいました。)
結局,「想定よりも危険だ」ということを肝に銘じて適度な距離をもって出かけるのがベターなのでしょう。釣りにしてもダム活にしても。