平年より3週間も早くこの地方は梅雨入りしました。
河川の増水のおそれのあるこの時季はダム活は自粛せねばならないかと思いつつ。平地では降っていなくても,上流の山間部でゲリラ豪雨が発生すると急に増水することもあるからです。
今日は近場で比較的安全が担保される有江上池を訪問(場所)灌漑用アースダム。
国道2号をしまなみ海道とのJCTで下り,長者原工業団地に向かう市道を進むとすぐに天端の右岸に渡る橋があります。
天端は左岸に行くほど草深くなります。
天端から下流の眺め。狭い谷間に果樹園があり,その向こうに尾道水道(海)が…
…うっすら見えます。天気が良かったらもっとくっきり見えたでしょう。残念
洪水吐からの放水路は果樹園と堤体を仕切るようにつくられています。
放水路と維持放流の合流地点かな?
上流側。水位が下がっているせいかコンパクトな印象。
茂みの向こうに工業団地の建物が見えます。ニュータウンが見えた梶毛ダム以来の異色の雰囲気。
左岸側斜面に斜樋とおぼしきものが見えます。
左岸よりに上流側に下りる階段があったので下りてみます。
水位が下がっていたので,池岸を歩いて斜樋まで来ることができました。
落ち葉が積もり,鬱蒼とした木々に囲まれ姿の見えない操作室。意を決して上ってみます。
何と物置小屋のような木造の操作室が現れました。後ろは崖で,出入り口が池側にあることから,どうも池側から上るのがルートのようです。水位が上がってルートが水没したらどうするんでしょう?
斜樋から堤体上流側をのぞむ。下半分はコンクリが白く,比較的近年に補修されたようです。
右岸に戻って洪水吐そばに下りてみます。
丸みのない角ばったタイプ。昭和初期のため池でも丸みがあるので,かなり古い時代のものでしょうか。(明治32年竣工とのことですが,そのわりに劣化が見られないのでやっぱり後年の築造?)
少し下流に移動して堤体を捉えてみます。果樹園のネット越しなのでネットの緑が入り込んでしまいました。
果樹園のビニルハウスと堤体。堤体真下は果樹園の敷地奥なので遠慮しておきます。
農家の方が作業されていたので挨拶をして「何を栽培していらっしゃるんですか?」と聞くと「※▼◇!」…???かなり距離があったのと作業中に流しているラジオの声にかき消されて聞き取れませんでした。
実をつけていた画像を見る限りプラムとかかな?
ちなみにこちらはすぐ下流にある有江下池。堤高15m未満なのでダム便覧には掲載されず。天端がそのままラブホテルに続くというこれまた異色のため池。
二つの池は,わずかな果樹園だけのためにつくったとは考えられず。国土地理院の航空写真で見ると,戦後間もないころは下流の東尾道一帯は農地だったようで,そのための灌漑用水だったといえます。
現在の池の周りは工業団地,下流の東尾道は尾道随一の住宅地と化しています。
まだ青き 有江のすももに梅雨来る