大谷ダムからわずか2km。今回のダムめぐりで一番楽しみにしていたダム,千本ダム(場所,訪問日:2022.10.30)
上水用の重力式(粗石)コンクリートダム
同じ上水目的でも大谷ダムのように天端すら見せてくれないダムとこのようにオープンな(天端は立入禁止ですが)ダムの違いは何だろう。
大正時代に竣工したこのダムは土木遺産でもあり,登録有形文化財にもなっています。
山陰では初の水道施設だそうです。
まずは文化財の美をじっくりと味わいます。
谷積みの堤体をうっすらと越流。大正時代から続く風景だと思うと感慨深い。
曲線美
この高欄の意匠。無骨な昭和のダムとは対照的です。
天端からせりだす半円の取水設備。三永ダムもそうでした。
ダム施設に唐破風? 粋ですねえ。
こちらは堤体の補強のために最近施工されたPSアンカー。外観はそのままに,堤体の傾倒を防ぐ働きがあります。
ちゃんと副ダムもあります。よくみると流れの下に維持放流のための放水管?(右)
左岸側から越流面のカーブと堤体のカーブがよく分かります。石積みで見事につくったものです。
水源池。手前は,地質調査のための仮通路(立入禁止)
周辺は公園として整備されておりピクニックなどよさそう。
こうしてダムの水音をバックに紅葉を眺めるのもまた贅沢なひと時です。