雨が降り続いて、ようやく晴れた2月最後の土曜日。
前々から航空写真を眺めて気になっていた地元の山中にポツンとある、三原市の上水目的でつくられた「太郎谷ダム」。
このダム、ダム便覧に掲載がなく、市のWEBページにもその諸元は記されておらず、果たして堤高15m以上の「ダム」なのかと疑問に思っていました。
市に問い合わせれば分かるのかもしれませんが、市内だし行ってみたら諸元の表示などの情報が得られるかも…と好奇心×節約で行ってみました。(2024.2.24訪問)
地理院地図で見るとこんなダムです。貯水池だけ見るとまあまあな規模がありそうです。r55から太郎谷川に沿って龍王山に続く登山道を行くことになります。
登山道の入口辺りまでは自宅から車で10分少々ですけど、せっかくなので三原駅から路線バスに乗ってみました。駅から15分で「太郎谷」バス停に。長年住んでてこのバスに乗るのは初めて。
県道から山側に入ったところ。実はこれ旧山陽道です。
一見会社の敷地かと思ってしまいますが、ここがダムへ続く道の入口。そのまま歩いていきます。
砂利道の先は本格的な山道に。太郎谷川のせせらぎを聞きながら進みます。
途中、分かれ道があってピンテの方に進むと天端へ、川沿いに進むとダム下に着きます。まずは天端から。迷うような道ではありませんが、ここから先はごろ石が多いのとイノシシの堀跡が多いのとでなかなか歩きにくかったです。
山道に入って25分。視界が開けてコンクリートの壁が見えてきました!
太郎谷ダムの天端に到着!思ったより細い天端。
ほぼ垂直の下流面。砂防ダムみたい。感覚的に15m以上ありそうですが。
天端は途中で切れて、自然越流式になっています。
3兄弟といった並びの取水操作部。点検用の足場もついていて、のぞき込むとお尻がムズムズしてきました。(危険なので下りてはいません。)
上流面。上流側の方が傾斜が緩いような???
ダム湖。雨が続いた割に貯まっていませんでした。
諸元とかダム湖名とかもしかしてこの看板に書いてあった? 残念ながら解読不能。
ダム下に来てみました。こうしてみるとれっきとした重力式コンクリートダムですね。
天端から見えていた謎の構造物。建設時の物か、管があるのでダム設置前の取水設備か。
堤体下部の維持放流部と思われます。この馬蹄形がレトロでいいです。
減勢工はこの水叩きだけ。
H30の豪雨災害で沼田川のポンプ場が被災して三原市内が断水した時に、中之町地区は一足早く水道が復旧しました。この太郎谷川を含む和久原川水系が沼田川からの給水系統と別系統になっているためです。太郎谷ダムがつくる貯水池が一役買ったのでしょう。
諸元については、三原市に問い合わせてみることにします。