公認ダム全踏破のダムめぐり。いよいよ最後の一基,樽床ダムです。(場所)
昭和33年竣工の発電用重力式コンクリートダム。
紅葉の名所でもある三段峡の最奥部にあたります。美しい自然の渓流のスタートが人工的なダム湖とは,三段峡が巨大なテーマパークのように思えてきます。
国道191号を経由して天端まで車で来ることができます。標高700mのこの地は4月も下旬だというのに風はひんやり。桜もまだ咲いています!
駐車場には,堤体の傾斜を模したと思われる丸太づくりの点検口。
これといった特徴のないシンプルな天端。戦前の面影を残す柴木川ダムの竣工からわずか3年後ですが,こちらは高度経済成長期の飾り気のない様相です。
ダム湖の聖湖。来る途中に何台か釣り人のものと思われる車が路肩に止めてありました。また山菜取りと思われる方々の姿も。いろいろ人気のスポットのようです。
下流の三段峡方面。なんと維持放流は観光シーズンの5月~11月だけだそうで,とすると今(4月)は三段峡に水を流していないということ? ほとんど乾いた減勢工がその事実を物語っています。
取水設備と柴木川第一発電所に水を送る導水管。戦後,急速に拡大した電力需要に対応するために開発された発電所。広島の戦後復興を支えてきたのですね。
ラジアルゲートの操作室。この日は点検中で作業員の方の姿が見られました。
ゲートのアームを歩く作業員の方。怖そうだけどそこ僕も歩いてみたいっ!
すると,「1号あけま~すっ!!」「了解ぃ~~~!」
と作業員の方々の大きな声。
とっさに「ゲートの開閉テストかも」と勘付いたので,これは目に焼き付けねばと,急いでゲート全体が見られそうな位置へ!
とりあえず,左岸が近かったので左岸の上流にまわりましたが,これが失敗。管理棟や木が邪魔で全然見えません。
そうこうしているうちに,ウィ~~~~~~ンと,ゲートの動く音!
やっとの思いで木の隙間から望遠で撮ったのがコレ。1号ゲートが一旦開いてあとわずかで閉まるところ。貴重な瞬間に立ち会ったのに,これが精いっぱい。
右岸に走ればわりとすぐに1号ゲートがこのぐらい大きく見られたのに。てか,そのまま天端にいてアームが動くとこ動画で撮ってもよかったかな…いろいろ悔やまれます。
ところで正面から撮りたいのですが,堤体真下に下りられる道は立入禁止区域。三段峡に続く遊歩道の途中から頑張ってみましたが,こんな感じにしか撮れませんでした。
そこで作業員の方に「正面から撮れる場所ないですか?」と尋ね,暗に立入禁止区域に入らせてもらえることを期待したのですが,「ん~遊歩道からかなぁ。でも木があるけえねぇ。。。」と,ごくごく真面目な回答。残念。
せっかく遊歩道に入ったのでそのまま一番近い「三ツ滝」を見に行ってみました。
詐欺じゃ~!ヽ(`Д´)ノプンプン 維持放流してないんですからもっともですが。
読者の皆様,かの三段峡の蛇口は樽床ダムが握っているのです!
気を取り直して,右岸の山の斜面にある「芸北民族博物館」を訪れましたが,こちらも開館は5月から( ノД`)シクシク…。
ダムに沈んだ樽床集落から移設されたという古民家(右)の軒下に腰かけて…
堤体を俯瞰しながらのんびり昼飯をほおばりました。
(公認)最後のダムなのに何だか消化不良。
ともあれ当初の目標であった,広島県公認ダム全踏破を達成しました!!
ちなみに河川課のページには載っていないけど,ダム便覧掲載されている県内のダムはさらに40基ほどあります。
ただ,ダムはこれから草木や虫,そして照りつける日差しに包まれる季節に入ります。
樽床は水留めたれど 春は行く
次の目標にとりかかるか,しばらく充電するか…