4月も下旬。広島県公認ダムめぐりもいよいよ最後となりました。
県最北西部の三段峡の入口と最奥にある2基のダムをめぐりました。
まずは入口手前にある柴木川ダム(場所)
昭和29年竣工の発電用重力式コンクリートダム。
上流側の公園に車を停めて散策開始。
中電による誰向けか分からない解説板。ダム好きにはありがたいです。
いざ GO to TEMBA!
何やら古いものと新しいものが混在している様子。
このコンクリート欄干の意匠は昭和初期の雰囲気を残しています。
そしてクランク。渡ノ瀬ダムと似たつくりです。
決して大きくはないけれど,天端では圧倒的存在感を示すゲートピラーたち。
この無骨なつくりがいい。
分厚いローラーゲート。シンプルな薄いグレー。
ゲートの巻き上げ機の置かれた建物はコンクリが白いので,わりと最近建て替えられたと考えられます。
カーブをつけるのは戦前ダムの名残なのか。昭和中後期のダムになるとみられなくなります。
こちらは排砂ゲートの機器。むき出しのわりに錆びてないので比較的新しい物ですね。
…と観察していると突如「ウインウイン」と機械音がして,放水のような音が聞こえてきました。
水位計と量水機の間に架かるパイプから散水が始まりました。虹がかかって何かのパフォーマンスを見ているようです。ただ,この散水が何のために行われているのかは分かりませんでした。
上流側。観光バスを久々に見ました。この先に景勝地の三段峡の入口があります。
右岸に来てみると,あれ? こっちがフェンスの内側(立禁)? こういうよく分からないガードは中電ならではです。…というわけで,フェンスの横を通って下に下りてみます。
下から見ると城壁のような堤体。ダムと言われなければ遺跡かと思ってしまいそう。
ゲートと天端を間近で。天端はよく見ると少し湾曲しています。
要塞みたいでかっけー!!
対岸の別角度から。錆びの出たコンクリと白いコンクリのコントラスト。完全にレトロでないところがまた魅力的です。
堤高15.5mの小さなダムですが,巨大なダムにはない味わいがあります。
維持放流は飾り気のないトンネルから。
天端の右岸側は昼間でも日が当たらないようで,苔むしていました。
↓こうすると某大分むぎ焼酎のCMに使われそうな雰囲気です(笑)
ところで,ダム名はダムによって堰き止められる柴木川から付いているのだと思いますが,読み方は県の看板にあるように「しばきがわ」でよいのでしょうか?
というのもダムのすぐ上流に架かる橋のプレート。くずし字ですけど,たぶん「しわぎはし」って書かれてるんですよね。
国土地理院の地図で確認すると,この辺りの地名は「柴木」と書いて「しわぎ」と読むようです。
だとすると川の名前もダム名も「しわぎがわ」が正しいのでは? どうなんでしょう。
いろいろ謎の残るダムです。
春の虹を 架ける柴木よ 君の名は
公認ダム全踏破まであと1基!