さて,矢谷ダムから塚谷運動公園付近に戻るともうすでに苫田鞍部ダムの堤体が見えています。(訪問日:2023.3.19)
洪水調節・維持放流・灌漑・工業用水・上水・発電と多目的の表面遮水壁型ロックフィルダム(ダムの目的は本体の「苫田ダム」と兼ねている?)
「鞍部」とは,簡単に言うと凹んだ地形の部分で,上の地理院地図で等高線を見ると,山に挟まれて低くなっている部分を指します。苫田ダムのダム湖が満水になるとここから水があふれてしまうために,鞍部ダムが建設されました。
全体に丸みを帯びた石が積まれています。巨石がクロス状に配置されているのは,景観に配慮したデザインだそう。
堤体下の地下入口。ピラミッドの入口みたいで気になる~
殿ダムほどではないけれどだだっ広い天端。
左岸のすみには建設時に使われたメインスラブ用スリップフォームが展示されています。
上流側のコンクリート表面遮水壁を打設するのに使われたんですね。コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム(CFRD)は日本では数基しかないそうです。強度の面などで昔造られてから長いこと造られていなかったけれど,技術が進歩してできるようになったとか。海外ではセンターコア型よりもこちらの方が主流らしい。
堤体下は塚谷運動公園として整備されています。
上流側の道に解説があり,建設時の様子が分かります。
上流面に回ってみました。表面遮水壁型にしては傾斜が緩いとのこと。
満水時には奥の水が道路を乗り越えてこちら側まで来るわけですね。
殿ダムほどのスケールではないですけど,やはりロックフィルは眺めていて美しい。
ダムカードは苫田ダムの管理事務所でもらえます。(特に写真の提示は求められませんでした。)