ダム銀座の最後は目谷ダム(場所)
国営広島中部台地農地開発事業によってつくられた灌漑用のロックフィルダム。
この事業は,そもそも大規模で生産性の高い農業のモデルとして,昭和52年~平成9年にかけて行われたもので,世羅台地の林野を開拓し,果樹園などに農地転用する事業。
台地という地形的特徴と,少雨の瀬戸内海気候による水不足を解消するためにつくられた。実は,先に訪れた京丸ダムもこの事業の一環なんです。
左岸手前には大型バスも止められそうな駐車スペースもあり,やたら広い天端。しかし,人の気配はまったくしません。
フィルダムとは言え,さすが国営で造られたダム。きれいに管理されています。
マンガなら「シーン」ってオノマトペが書いてありそうなぐらい静か。
ゴミ一つない洪水吐。事務所の周りもきれいに整備されています。
事務所は門が開いていましたが,誰もいないようでした。広くてきれいな空間がかえって物寂しさを醸し出します。
それにしてもあちこちにやたら記念碑があり,何かと成果をアピールするダムです。お金かけてますね・・・って昭和60年竣工ですからバブル絶頂ということですか。
周囲は台地ならではの低い山の連なる風景。
実はこのダム,一つ前に訪れた京丸ダムと直線では3キロぐらいしか離れていませんが,京丸ダムとは決定的な違いがあります。
京丸ダムの水は芦田川水系で瀬戸内海に流れていきますが,目谷ダムの水は江の川水系で,なんと島根県を貫流し,日本海に流れ込むのです。
つまり,わずか3キロしか離れていない目谷ダムと京丸ダムの間に,瀬戸内海と日本海に流れる川の分水嶺があるということなのです!