ダムのほそ道

広島県内(とその近県)のダムの訪問記録です。

21 吉田ダム(吉田大池)

さて,野間川ダムで元気を回復したので,近くにある吉田ダムに向かいました。(場所

 

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広島県の公式サイトには「ダム」として載っているのに,なぜかダム協会のダム便覧には掲載されていない,農業用アースダムです。(逆はたくさんあるのに)

 

昭和30年にできた旧久井町最大のため池とのこと。

 

降水量が少なく山がちな地形の広島県は,そのほとんどが明治時代以前につくられ,昭和以降は全体の9%。

 

ため池としては新しい方なのでしょうか。

 

 

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グーグルマップの航空写真では堤体下に行く道がなんとなく見えましたが,実際には私有地のようで柵がしてあり入れません。

 

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入口は狭いですが,天端は自由に入れます。釣りをしている人がいました。

 

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天端の左岸には,導水路を渡るレトロなデザインの小橋が架けられています。欄干までコンクリートでつくるあたり昭和な感じ。

 

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左岸に小さな洪水吐。

 

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マロン湖と同じぐらいの広さはあるのでは? と思うほどの巨大なため池。湖面を対称軸に周囲の山が映るのはどこの湖でもいいなあと思う風景。

※ちなみに総貯水量でいうとマロン湖は56万t 吉田大池は31万tです。

 

 

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下流側の斜面。ちょうど野焼きをした後のようで,歩いて下りられそう。(一応,右岸側に下りるための通路らしきものがありました。)

 

 

 

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・・・で下りてみました。

 

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なぜか焼けただれたゴルフボールがあちこちに。ゴルフ場からは2キロぐらい離れているのでさすがに飛んできたわけではないでしょう。心無い誰かが捨てたか,天端から練習したか・・・

 

 

広島県はため池の数が全国2位ですが,現在,老朽化や周辺地域の過疎化によって使われなくなったため池の所有や管理責任が問題になっており,簡単に廃止はできないようです。

(H30豪雨災害の時にため池が決壊する事故が起きてクローズアップされた。)

 

 

 

一方,ため池は生物多様性保全の場にもなっているようで,うまく活用・管理できる方法があるとよいのですが・・・と,野焼き一つとっても簡単ではないよね~,と下草が焼けてふかふかした堤体の上で思いを巡らせました。