土日に仕事があったり,足を痛めていたりでダムから遠のいていました。4連休最終日に久々のダム活です。
目指したのは太高山ダム(場所)灌漑用の重力式コンクリートダムです。
よく考えたらダム活シーズンⅡになって初のコンクリートダム(再訪は除く)です!
安芸灘大橋から下蒲刈島~上蒲刈島~豊島と渡って4つめの大崎下島。のんびりと島道ドライブをしていると目印の太高山バス停。ここら辺に車を停めて山道に入ります。
見渡す限り海とミカン畑。こんなところから(失礼)広島市内への直通バスが出ているとは! 近くに民家も見当たらないのに何のためのバス停?
バス停横には給水ホース。先達の訪問記によれば,太高山ダムから水を引いて自由に使えるようにしているらしい。
いざ山道へ。両サイドはみかん畑とところどころレモン畑。ここで採れるみかんは「大長みかん」として県内のスーパーでよく売られています。
みかん農家らしい風景。
歩くこと5分で堤体下に着いたはずですが…言われなければそこにダムがあると分からない状況。夏場なので草木で見えにくいことは覚悟していましたが,ここまでとは。
近寄って見ると苔むしたコンクリートの堤体が見えました! が,鬱蒼とした木々が行く手を阻みます。
堤体に沿ってパイプが取り付けられています。
右岸下からどやっ! 何とか天端の高覧が見えてようやくダムであることが確認できました。
この階段から天端に行けそうな気がしますが,見た感じ藪漕ぎ必至で夏場はマムシなどが怖いのでやめておきます。
見上げるとダムより高い位置に続く道があります。もう少し上ってダムが見られそうな場所を探してみます。
…で,何とか捉えました! 昭和2年竣工というかなり古いダムで,コンクリートダムが造られだしたころのもの。規模が小さいせいか,戦前ダム特有の高覧の飾りがなく,あっさりとしたつくりです。
大長みかんの栽培は明治末期ごろに始まっていたとされ,みかん畑の耕地を求めて島外にまで出ていたというので,こうした大規模な水の需要があったこともうなずけます。
(天端左岸側は草が生えてますね…コンクリート製のはずなのに。)
何とか木の隙間からダム湖を捉えてみました。ダム湖というより「ため池」規模ですけど。天端が上流側にせり出しているのが分かります。堤体のパイプはダム湖からダイレクトに水を引いているようです。
これまた木の隙間から天端の様子。中央部には草は生えていません。
こちらはインレット部。意外にもきっちりとコンクリートで固められていました。
堤体前から見た下流方向。みかん畑と瀬戸内海が広がるのどかな風景。公認ダムでは,生口島の中野ダムが海岸からの距離が最も近かった(約2100m)のですが,この太高山ダムは315m! 県内ダントツの海近ダムだと思います!
周りの山々からミンミン蝉とアブラゼミの大合唱。空では2羽のカラスが,縄張りに入ったと思われるトンビをカアカアと追い回し,海からは船の鈍いエンジン音が響いてきます。峠を時折涼しい海風が吹き抜け…
こうしてみると真夏のダムも場所によっては案外いいかも。
帰り道に江戸時代から栄えた港町の御手洗地区に寄り道。江戸時代や明治時代の建物が残っており,なかなか風情あるところです。
蝉声を隠れ蓑に太高山
なかなか全貌を見させてくれないダムです。