穏やかに晴れた2月の土曜日。積雪や凍結はなかろうということで,帝釈川ダム(場所)に行きました。
発電用の重力式コンクリートダムです。帝釈峡は県内有数の観光地で息子が小学生の頃に川遊び来たことがありますが,ダムがあったなんて知りませんでした。(知ってても当時は行こうと思わなかったでしょうけど)
県道25号→451号を通りましたが,遊覧船乗り場付近の路肩が凍結していた以外は快走。行き止まりになるこの辺に車を停めて歩いていきました。
ダムへは谷を下りていくようになります。舗装されたつづら折りで下る林道と,画面左の石柱あたりから最短コースで下りる階段があり,どちらでも行けます。先月ひざを痛めたばかりなので林道にしました。
林道脇の木々は常緑樹が多く,冬の山里感はあまりしません。しかし,足元は濡れた落ち葉でぬかるんでおり,慎重に歩きました。
林道をゆっくり下りること10分ほどで無人の管理事務所に到着。トイレは外から入れます。
事務所のすぐわきに取水施設。
階段から覗いてみますが底は見えません。
最初に完成したのが大正時代。その後最近(平成18年)までに何度か改修,再開発をしているようです。その辺の説明は,ダム便覧やウィキペディアに譲ります。
堤体までは絶壁に張り付くように造られた桟道を通っていきます。左は非常用余水吐のゲート。石灰岩の山に掘ったトンネルで下流に流れる仕組みだそうです。
桟道入口。何だかこういう雰囲気,良いです。
つらら越しに見る余水吐設備。日差しは穏やかでもさすがに渓谷の底は冷え冷えします。
帝釈峡一体は,石灰岩が浸食されたカルスト地形です。説明に「石炭紀」ってありますが,調べたら恐竜の時代より古い地質!!
桟道を抜けると天端到着。天端へは下りていく感じになります。
上流側の神竜湖。この上流は景勝地「帝釈峡」です。
下流側。維持放流中。周囲が絶壁なので水音がよく響きます。
ここにも取水施設? コンクリートが赤みを帯びているのはなぜかしら?
上から見ると,取水管の上に載っけているだけの設備。耐震性は大丈夫なの?
ラジアルゲート…を下流側から撮ったつもりですが,いまいちわかりませんね…
様々な技術が駆使され,いろいろ受賞しているようです。
右岸側から。こんな切立った渓谷によくダムを造ったものです。
このダム,縦横比から日本一縦長のダムだといいます。確かに,天端は今まで見てきたダムより遥かに短いですが,道はおろか周囲を絶壁に囲まれ,堤体を正面で見ることができず,その縦長度合いを実感することができませんでした。
(ダム便覧に掲載されている正面画像も,工事中の見学会の時のもののようです。)
いろいろ見所の多いダムですが,正面を拝めないのが残念!!
帝釈の 姿見となれ 春の谷
向こう正面の絶壁が大きな鏡だったら良かったのに…
これで備後地域の広島県公認ダムは全踏破! 残り19基です。