ダム初めに庄原ダムに行って以来,天候に恵まれず,ようやく今年2回目のダム活です。
灌漑用アースダムの仙養ダム(場所)です。
神石高原町唯一の広島県河川課サイト掲載ダムです。
今回はどうアプローチするか悩みました。地図上は上流からも下流からも行けそうですが,どちらもストリートビューで見られないので,普通車で行けるかどうか…気象情報から積雪はないとみましたが,路面凍結のおそれはありそう。
そこでストビューでも見られた上流側の県道411号沿いにある近田簡易郵便局↑付近に車を停め,そこから自転車で行くことに。
ここから約2キロ。ストビューでは見られなかった道です。
道はこんな感じで普通車なら離合できる道幅。ただし,かなり急な下り坂なので凍結していたら危なかったかも。(幸いこの日は凍結していませんでした。)
あと1キロぐらいというところで「通り抜け不可」の看板。嫌な予感がしつつも,行けるところまで行ってみることに。
どうにかダムまでは行けました!
どうやら工事をしているのはダムより下流方面のようです。上流から来て正解でした。
未舗装の天端。草は刈られていました。ってことは夏はボウボウ?
天端の柵にはレトロなフォントでダム名が書かれている。もとはカラーだったか? これ,欲しいかも。
上流側。ちゃんと網場もあります。釣り禁止ではないようで,ゴムボートを持ち込んで釣りをしている人たちの声だけがひっそりとした池に響いています。
下流側。冬枯れの木が覆い尽くし,堤体斜面が見えません。夏はもっと鬱蒼としているのでしょう。
斜樋と取水施設を仰ぎで一枚。味のある佇まい。やたら窓が大きいのはなぜ?
洪水吐。満水になって越流していた。草も生えているので,普段も水が流れ続けているのかな。
洪水吐の反対に回り,上流側堤体。石積はきれいです。
堤体下に下りる道も車で行けそう。周りは枯れ葉が積もっているのに,轍ができているので,時々車が通るのだろうか。
揚水施設は結構大きい。しかし,入り口の門は壊れており,粗大ゴミが周囲に捨てられていて廃墟感いっぱいです。(失礼)
いいですね~この苔むしたコンクリと錆びたパイプ。水の音がしないので,使われていないのかな?
乗り捨てられた車。中に白骨死体とかあったらどうしようΣ(゚Д゚),と思って恐る恐るのぞいたら、ガラクタでいっぱいでした。
目先を堤体側に向けると,枯れ藪の隙間にさらさらと洪水吐から流れる水の鱗模様。こういうときアップで撮れるカメラが欲しいなあ。
水はさらに減勢しながら下流の川につながります。アースダムにしてはしっかり造りこんでありますね。
ダムばかりに目が行っていましたが,ふと見上げると急峻な山。日本ではないみたい。
こうしてみるとなかなか風情のあるところです。「仙養」は近くの「仙養ヶ原」から付けた名前だと思いますが,この風景と合わせると確かに仙人でも住んでそうな感じがします。
しかし,足元を見ると侵入を試みた人たちによっていろいろ開拓された跡が…先ほどのアングラーたちもここからボートを運んだのかな?
そして湖畔には昭和後期のダムによく見られる立派な記念碑
裏を見ると総事業費23億をかけ,農道の整備も行ったとのこと。当時の大規模な農業需要に応じた夢のダムであったことを物語っています。
竣工から40年。周辺の農業の担い手は減り,ダムは釣りスポッとと化し,周辺は荒れ,この秘境のようなダムの行く末はどうなるのでしょうか。
では本日の一句。
仙養に枯草踏み分け夢写す
ちなみに帰りは当然急な上り坂。足がパンパンになったことは言うまでもなく・・・
☆広島県公式サイト掲載ダム全踏破まであと20基!