弥栄ダムを後にして,そのまま国道186号を県境に沿って9キロほど北上,小瀬川ダム(場所)を訪れました。
洪水調節・工業用水・発電用の重力式コンクリートダム。これまた天端が県境なのですが,このダムは事業者も広島県と山口県の共同という珍しいダムです。
管理事務所はこじんまりとしていて,玄関先にはかわいらしい置物も。管理人さんの趣味かなぁ。
ダムカードをくださったのは雇いの当直の方で(正規の職員ではない),堤体を正面から撮れるスポットを尋ねたけれど,詳しいことは分からないとのこと。
確かに,扉には当直・宿直の募集の張り紙が。仕事は,施設の施錠確認と書類の受取,ダムカードの配布など。・・・定年後はこんな仕事がいいかも,と本気で思った。
上流側からダムサイト。漂流物がたまっているけれど大丈夫?
広島側から見た天端です。戦後昭和のダムらしく無骨なつくり。
ダム湖は「真珠湖」。川真珠貝がとれたのだそうな。川真珠貝はいまや絶滅危惧種のようで,小瀬川ではダムによる環境変化の影響があったのでしょうか。
ゲートの操作室。堤体からせり出したつくりは高暮ダムと同じです。
下流をのぞみます。右岸の山口県側の方が急峻な地形です。川によって浸食されたのでしょう。
右岸から見た堤体。昭和中期竣工の割にはきれいだと思います。掃除したりするのかな?
右岸の木のすきまからラジアルゲートをとらえました。ダム便覧では薄水色ですが,鮮やかなブルーになっていました。ゲートを交換したか塗装をし直したか。
一通り見て車に戻ろうとすると,ふと駐車場横にあったこの看板が目に留まりました。あれ? 下流側は立入禁止ではない…?
明神ダムのことを思い出し,もしかして…と歩き回ってみると斜面を下に下りていく道がありました。
そして行きついた先は堤体真下!
利水放流管から勢いよく放流中。しぶきがここまで飛んできてなかなかの迫力です。
クレーンが映りこまないようにと最初は思いましたが,こうしてみると青いゲートと放水の白い放物線によくマッチしている気がしてきました。
思いがけない光景に感無量です。
手作りのかわいらしいケース付きでした。ここもゆるキャラ「おぜがっぱ」がいます。玄関の置物といい,一体どんな管理人さんなんだろう…。
放物線 春空に跳ねる小瀬河童
広島県公認ダム踏破まで残り12基です。