12月に入りいよいよため池シーズン! というわけで安芸高田市にある大和池を訪問。
国道54号下根集会所前信号から集落を川に沿って東進。天端横まで車で行けます。
(訪問日:2021.12.11)場所
灌漑用アースダム。ダム便覧では2004年竣工ですが,先達が考察されているように,それ以前からあった池を農業農村整備事業で改修したと考えられます。
国土地理院の航空写真で見る限り,元の池は1948年~1962年ごろ造られたようです。
天端。きれいに草が刈られています。池の大きさのわりに広々。
水面に映りこむ景色。
水の動きが少ないようで,あまり濁っていません。
上流面はなだらか。石で補強されています。
洪水吐。ひっかかっている流木が倒れこむ人のよう。
洪水吐には保守点検用の足場がついています。
放流路には途中まで溝があります。左岸の山からも流入があるので排水を促すためでしょうか。
下流方向。堤体の草は刈らないのかしら?
天端の車止め。不思議な形状です。くぼみは何のため?
右岸の斜樋
斜樋付設の階段。光の屈折じゃなくて本当に途中で曲がっています。
操作室の窓がレトロ! これは改修前からあったものでしょう。
斜樋横の流入工。先人の報告ではここからも池に流入していましたが,この日は流入なし。どこかから導水して貯水量の調節しているのかも。
インレット部に来てみました。川からの流入は肉眼では確認できず,ごく少量か地下を通って流入しているようです。
下から堤体を捉えてみる。冬でもこの状態だから夏はもっと見えないでしょう。右側の管は利水の導水管。
枯れ枝をかき分けた先に維持放流(左)と洪水吐からの放水路(右)の合流地点。
洪水吐側には減勢工が設けられています。ため池では珍しい。
利水の導水管は2本あり,一本は地下を,もう一本はそのまま地上を這わせています。
下流の川は護床ブロックがきっちり敷かれてます。川岸に損傷した形跡がないので,H30豪雨の時も持ちこたえたのではないかと。整備事業の成果でしょう。
人っ子一人いない小さな池。しかし,随所に最新の”造りこみ”がみられる"いかした"ため池でした。
枯れ枝をかき分け大和の技見たり
ダム便覧掲載の県内ダム全踏破まであと9基(位置未確認ダムを含む)