ダムのほそ道

広島県内(とその近県)のダムの訪問記録です。

東海1 東郷調整池(愛知池)

彼岸の墓参に合わせて実家のある名古屋に帰省。実家は車がなく,停める所もないので基本的にいつも公共交通で帰省します。
ダムの多くは山間にあり,車がなければダム活なんて無理だ,と今までは思っていたのですが,ふとDamMapsを眺めていると,ここ車なくても行けるんじゃないの? というところを発見。…というわけで帰省中のダム活です。

東郷調整池(愛知池)灌漑・工業用水・上水目的のアースダムです。
なんと名鉄豊田線米野木駅から徒歩5分,名古屋市中心部から電車でわずか20分の好立地!(訪問日:2023.3.25)

畔では桜がほぼ満開ですが,あいにくの天気で人はまばら。(カメラを持って帰省していないのでスマホ撮影です。)

駅側から湖畔づたいに歩いていくと取水設備が見えてきます。東郷調整池は,木曽川の水を知多半島まで送る愛知用水の中継地点。用水の本流の取水口は湖底にあるそうです。

天端は車両通行禁止ですがウォーキングコースになっており,小雨にも関わらず散歩やジョギングをする人の姿が。地元住民の憩いの場なんですね。

山に囲まれていないため池は不思議な感じ。

上流面は石で補強されていました。

洪水吐にはラジアルゲート。用水なので放水量も調節しているようです。

愛知用水木曽川から知多半島まで112kmの水路を敷く一大事業でした。昭和36年に竣工し,さらに第2期事業として昭和56年から改修工事が行われました。・・・というわけで記念碑があちこちにあります。

管理は水資源機構ダムカードは自分で取っていくシステム。
堤体下に下りてみました。堤体には植え込みで造った「あいち池」の文字。

なだらかなので堤高30mあるように見えません。段ボールをそりにして滑ったら楽しそう。

堤体直下の小水力発電所。調整池の管理用なのでダムの用途にP(発電)はありません。

用水が東郷調整池に流れ込むところ(奥が東郷調整池)
東郷調整池を出て知多半島へ向かう愛知用水の水路

愛知用水は小学校の時,社会科で学習した覚えがうっすらありますが,その時はなんの感慨ももちませんでした。今になってこうしてダム活をしていると,いかに壮大な事業であったかが分かります。知多半島の産業振興は愛知用水とともにあったと言っても良いのではと思います。