ダムのほそ道

広島県内(とその近県)のダムの訪問記録です。

山口13 温見ダム

末武川ダムからそのまま川沿いを上流に進み温見ダムへ。(2024.1.8訪問)

灌漑・工業用水・上水目的の重力式コンクリートダム

橋の右岸付近に車を停めて、徒歩で民家の前の未舗装道をダム下へ。薄暗い林を抜けると堤体が姿を現します。この瞬間が好き。

堤体真下まで行けます。左は小水力発電用の送水管。点検用の階段も昇ろうと思えば昇れる状態。ただ天端までつながっていませんし、危険なのでやめておきます。

久しぶりに「The ダム」という感じの赤いラジアルゲート。

ダム直下にわりと近年設置されたと思われる小水力発電所。家庭用の物置かと思うぐらいにコンパクト!

ダム下からの利水放流

天端に上がってきました。中央のゲート操作室までしか立ち入りできません。

まさに昭和レトロを感じさせるつくり

堤高36m…コンクリートダムとしては高くない方だけど、傾斜が急なので下流をのぞくとスリルなかなかあります。

なんか絵になりそうな風景。

半円形にせり出す取水設備は戦前のダムみたい。(このダムは昭和30年竣工)

いろいろ面白いものがあります。

主目的は灌漑・上水用としてつくられたダム。その後下流の下松市の工業が発展し、余剰分を工業用水として使うようになったようです。現在は、工業用水の取水量は減少にあるとか。

だから小水力発電ができるようになったのかな?


人口減少、一次・二次産業の需要減、豪雨災害の頻発、クリーンエネルギーへの転換などと時代と共に変わるダムの役割を感じずにはいられないダムでした。