ダムのほそ道

広島県内(とその近県)のダムの訪問記録です。

78 廻神(めぐりかみ)溜池

台風一過。晴れの3連休中日のダム活です。

本日は,三次方面へ。

1基目は廻神溜池(場所

f:id:nobee_dam:20210919203502j:plain灌漑用アースダムです。

廻神というのは地名で,知波夜比古神が降り立ってこのあたりを神輿で廻ったことによるとのこと。

この溜池は富士三次カントリークラブの敷地内にあり,西側の林道の樹間をねらって見るしかありません。(ゴルフ場内を通過するだけだった椛の木ダムに比べて,コースのすぐそばでゴルフ客もいるため許可のハードルが高いかもしれません。)

f:id:nobee_dam:20210919203449j:plain西側の大池から敷地に沿って進む林道は,数百メートルでダートコースになります。脇のスペースのあるところに車を停めて歩いていくことさらに数百メートル。

f:id:nobee_dam:20210919203453j:plain樹間から池らしきものが見えてきました!

f:id:nobee_dam:20210919203455j:plain害獣防止の柵ギリギリまで近づいて撮ってみます。何か見えますね。

f:id:nobee_dam:20210919203457j:plain望遠レンズを覗くと浮桟橋であることが分かります。右側に白いボートらしき影が見えます。ゴルフボールの回収用でしょうか?

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f:id:nobee_dam:20210919203502j:plain何とか天端を捉えようとしましたが,これ以上は藪が深くて近付けず。

f:id:nobee_dam:20210919203505j:plain帰り道におそらく池からの放流路とおぼしき流れを見付けました。

 

この池,妙なのは国土地理院の地図で確認すると,堤体部分がはっきりしないこと。

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(出典:国土地理院地図)

普通は下のように堤体部分(下の地図では左側)は崖や標高の低い表記になります。

(下は熊野水源地)

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(出典:国土地理院地図)

ところが廻神溜池は,下流に当たる池の北側(図の上側)に標高300mのやや広い部分があって,それから林道に向かって谷ができています。

そこで国土地理院の過去の空中写真を調べてみると,昭和50年代ごろまでは周囲はゴルフ場になっておらず,はっきりと堤体の姿が見えます。

f:id:nobee_dam:20210919221449j:plain(出典:国土地理院の空中写真 昭和50年撮影 池付近を拡大)

ところが,平成元年の画像では,周囲はゴルフ場となり,堤体があった部分はコースの一部になっています。

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(出典:国土地理院の空中写真 平成元年撮影 池付近を拡大)池は中央やや下。白っぽいところはコース。

おそらく,ゴルフコースにする過程で堤体をいくらか埋めて天端部分を広くしたのではないかと考えられます。

何とか天端付近の様子が分からないかと執念で探した結果,こちらの方のブログに比較的最近の天端付近と思われる画像がありました!→(こちら

西コースの6番ホールだと思います。左岸側から捉えた画像で,やはり天端部分が拡張されてゴルフコースになっていました!洪水吐からの放水路は地中に管を通していると推測されます。

ダム便覧の堤高18.6mというのは,埋められる前の値ですかね。

謎は解けましたが,こうなるとますます直接見たい! 

天高く 6番ホールを廻る神