昭和池から(かなり)足を延ばして江田島の奥小路低所水源池堰堤に向かいました。(場所)訪問日:20211103
明治36年竣工の重力式コンクリートダム(石張り)。奥小路浄水場として,元は海軍兵学校への水道水を供給していたもの。現在は江田島市企業局が管理しています。
堤高15mに満たないためダム便覧には参考掲載とされています。
古鷹山登山作用の駐車場(トイレもあり)に車を停めて歩きます。
現在も使われている水源池なので浄水場そのものは立入禁止です。
駐車場から「登山道」方向に50mほど進むと分かれ道。右に進むと浄水場の入口があり,そこから黄色→が登山道で,左の赤→が堤体を見るスポットにつながります。
まずは浄水場へ…もちろん門は固く閉ざされています。
放流路に沿って竹林を進むと浄水場からの水路と合流。
放流路は堤体横でカスケード状になっていました。(足場が不安定でぶれてしまった)
さて戻って赤矢印方向に進むと一瞬木立が途切れて浄水場の敷地と遠目に堤体が姿を現します。立入禁止なのに庭園のようなつくり。いいですね。
浄水場らしい設備が見えます。11月ですが,暖かい日が続いているので木の葉がまだ茂っていて見にくいです。
このあと舗装された道は墓地の手前でなくなり,ここからは藪道を蜘蛛の巣を払いながら進みます。…といっても,堤体を見ようとした人が結構いるのでしょうか,わりとそれっぽく道ができています。
木の枝をかき分け何とか堤体上部を撮影。
天端の高覧は下流側のみデザインされた柵に。石積みは上部にかけてややせり出しており,最上部は緑がかった石が使われています。明治の海軍は粋なことをしますね。
天端です。もうあと1か月ぐらい後に来たらもっとよく見えたかな。
浄水場だけあって,あちこちに監視カメラ。
重文の本庄ダムや有形文化財の三永ダムにしても,浄水場内にあるため立入禁止はやむを得ないと思いますが,価値のある建築物なので,せめて敷地の外から容易に見られるようにしたらいいのに,と思います。(折しも今日は文化の日)
帰りがけに早瀬大橋のたもとにある「音戸零式らーめん せと」へ。
早瀬大橋を眺めながら,音戸産の煮干しをスープに使っているというラーメンをいただく。チャーシューが分厚く,スープがあっさりして旨し!!(何が「零式」なのかは不明だった。)
奥小路の威風変わらず 明治節
気が付けば,ダム便覧掲載の広島県のダム全踏破まであと13基(所在地不明の3基を含む)!